――その人の“ことば”で、10年後にも届く文章を
私たちは、「時を経ても読まれる文章」を目指しています。
それは、目新しさや技巧、マニュアルに頼ることではないと思っています。
語り手が何に怒り、何に涙し、何に夢中になってきたのか――感情の揺らぎのなかにこそ、“本当に伝えたいこと”が眠っていると考えています。そこに丁寧に耳を澄ませ、言葉にすることを目指しています。
インタビューでは、ときに、子どものころの話から伺います。
遊びに夢中になった瞬間、何かに心を奪われた出来事。そうした記憶のなかには、本能に対して純粋かつ無垢だった頃の「原点」が詰まっていて、その人らしさや今の行動の根っこが隠れていると思うのです。
人は、自分の頭の中のわずか5%しか認知していないと言われています。
だからこそ、語られた言葉をただ要約して整理するだけでは、プロの仕事とは言えないはず。話し手自身も気づいていない思いや選択の理由を、文章という形で浮かび上がらせていきます。
私たちの仕事に、マニュアルはありません。
「一文は〇〇文字以内」「語尾を揃える」「表記ゆれはNG」といったルールを機械的にあてはめることはしません。
決まった型に当てはめるのではなく、「この人の言葉を伝えるには、どんな文のかたちがふさわしいか」から考えます。ページのトンマナも、記事のフォーマットも、語り手によって変わるのです。
その人自身の言葉を、10年後も読まれる“言葉の資産”として残していきます。