日本人には自己肯定感が低い人が多いと言われています。
以下は内閣府による13歳から29歳の若者を対象にした意識調査の結果です。(平成25年度調査)
.png)
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html
諸外国に比べて日本の若者が自分に否定的なのが一目でわかります。
では、それはなぜなのでしょうか。
人の性格は子ども時代にある程度決まってしまうと言われています。
そして、ほぼ全ての日本人が子ども時代に共通して通る道。それが、学校教育です。
となると、日本人の自己肯定感が低い原因は、少なからず学校教育と関係しているのではないでしょうか。
そこで今回は学校教育に焦点を当てて、子どもの自己肯定感について書いていきます。
自己肯定感とは
そもそも自己肯定感とはどういう意味でしょう。
自己肯定感とは
「自分は価値のある人間なんだ」
と自らの存在を前向きに受け止める感情のことです。
簡単に言うと、自己肯定感が低い人は、自分に自信が無い人ということになります。
自己肯定感が低いとどうなるのか
自己肯定感が低いと、物事にネガティブになってしまいます。
何かをしようにも、すぐに出来ないと思ってしまうため、初めに頭によぎるのは「成功」ではなく「失敗」です。
そのため、何かに挑戦したり、自分の考えを述べることが出来なくなってしまいます。
結果として、自分で考えて主体的に行動することが出来なくなってしまうのです。
学校教育が自己肯定感を低くする理由
ではいよいよ本題です。
学校教育が自己肯定感を低くしている要因について考えました。
日本の学校教育は減点方式
日本の教育は減点方式です。
ゼロを基準として良い所を加点するのではなく、100を基準として悪いと判断されたことが減点されるのです。
出来たことではなく、出来なかったことに注目されます。
そのため、子ども達は失敗を恐れるようになります。
失敗をしないために一番てっとり早いのは自分から何もしないことです。
何もしないうえに常に失敗を恐れなければならない状況では、自己肯定感など身につく訳がありません。
みんな一緒が重視されている
日本の教育は横並び教育と言われています。
他人と合わせることが強要され、列からはみ出す者は異質とされるのです。
そのため、常に周りと比較されます。
他人と比較すると、どうしても部分的な優劣に意識がいってしまいますから、子ども達の個性や多様性が認められることが無くなってしまうのです。
授業が教師からの一方通行
学校での授業は教師からの一方通行なものが多いです。
子ども達が自分たちの考えを交わす機会は少ないように感じます。
そのため、そもそも多様な価値観や考え方に触れる機会が少ないのです。
教師から教えられたものが唯一無二の「答え」になってしまいがちなので、教師の出した答えと違えば、それが間違いのように感じてしまうのです。
自己肯定感を高めるためには
以上のことを踏まえ、自己肯定感を高めるためにはどのようにすれば良いのかを考えてみました。
正直、学校教育の制度を変えようというのはあまり現実的では無いと思います。
ですから、一人ひとりの大人がこう関わろうという形で提言したいと思います。
出来たことに気づき、褒める
出来ないことではなく、出来ること・出来たことに着目しましょう。
まずは気づくところからです。大人はどうしても大人の目線で物事を考えがちです。
大人にとって簡単に出来ることも、子どもにとって簡単ではありません。
大人の価値観や固定概念は一旦隅に置き、子どもの目線で物事を見てみましょう。
そして、褒めましょう。
褒められることで、子どもは自信を持ち、新たなことにチャレンジする意欲が湧きます。
他人と比較しない
他人と比較せず、まっすぐに子どもを見てあげましょう。
みんなと一緒である必要はありません。
集団や周りを基準とせず、子どもを「個」として尊重してあげてください。
様々な価値観に触れさせる
ひとつの固まった価値観ではなく、様々な価値観に触れさせてあげましょう。
他者の様々な意見を聞くことで、人それぞれ考え方や価値観が違うことを知ることが出来ます。
また、自分自身の価値観にも肯定的になることができるでしょう。
まとめ
今回は子どもの自己肯定感について、学校教育に焦点を当てて書きました。
学校で子どもに教育をする教師も、結局は学校教育を受けてきた身です。
学校教育は少しずつ変化しつつありますが、すぐに大きく変わることはないでしょう。
となると、子どもを育てる親世代、ひいては社会が意識を変えなければ日本人の自己肯定感が高まるのは難しいのかもしれません。
コメント